年中穏やかな気候の王国も季節は移り変わる。 
 
                  大きな気温の変化はないが、緑一色だった山や畑は金色へと変化した。 
 
                  今年もクリスマスもやってくる。 
                   
                  街では飾り付けでにぎわっている。 
                   
                  もちろんここの子供タ達もサンタクロースを待ちに待っている。 
 
                  「トン、その星はもう少し上にしたほうがいいかも。」 
                   
                   
                  「そう!素敵だわ〜」 
 
                  「今年も、なかなか豪華になりましたね。」 
 
かおりとトンは、ツリーの前で眺めている。そこに通りかかったチャンも寄って来た。 
 
                  「素晴らしい〜」 
 
                  「そうでしょ!今年はどんなクリスマスになるのかしら。楽しみだわ。」 
 
                  「モーリーに美味しい料理にケーキをお願いしないといけませんね。」 
 
                  うれしそうにトンが言った 
                   
                  「今年は、皆を招待したいな。オモテ君、ウラン君、他…皆来てくれるかしら。 
                  招待状を作らないとね!チャン教えてくれる?」 
 
                  「オーケー!かおり。」 
 
あわててトンが、 
 
                  「ぼっ僕は何を手伝ったら…」 
 
                  「う〜ん。 
                  君は、招待状が出来上がったら配達でも頼むよ!」 
                   
                   
                  「オモテ、ウラン飾り付けは出来たの?」 
                   
                  
                  
                    
                      
                        「兄ちゃん!遊んでばかりでちっとも進まないよ。」 
                         
                        「オモテ!飾り付けがおわってから遊びなさい。」 
                         
                        「わかってるよ母さん。 
                        ウランは細かいこと好きだよな〜。」 
                         
                        「ひどいよ、こんなことはいつも僕にさせて。」 
                         
                        「怒るなよ、僕もやってるじゃないか。」 
                         
                         
                        「クリスマスか〜 
                        ホントにサンタがやってくるといいけどな」 
                         
                         
                        「うちにも毎年来てるじゃないか。」 | 
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                  「ウランまだ信じてるのか?あれは父さんだよ。」 
                   
                  「いいじゃないか、信じても。本当は父さんじゃなくて、サンタクロースかも知れないじだろ。」 
                   
                   
                  「じゃ〜なんでプレゼントがナンデモ雑貨の包装紙なんだよ。」 
                   
                  「それは……」 
                   
                  「父さん、ナンデモ雑貨のおじさんと友達だから、いつもそこで買い物してるし。これで決まりだな!」 
                   
                  「夢がないな〜タタミは…」 
                   
                  「世の中そうゆうものさ。」 
                   
                  「でも〜」 
                   
                  「なんだよ〜」 
                   
                  自身ありげにタタミの方を向いて話し始めた。 
                   
                  
                  
                    
                      
                          | 
                        「僕は見たことがあるんだ。 
                        うちでは父さんがサンタだけど、空は飛べないだろ?絵本に出てくるようにトナカイが引っ張るソリに大きな袋を乗せて、赤い服を来たお爺さんも乗っているんだよ。」 
                         
                        「ウラン夢でも見たのか?」 
                         
                        「ホントだよ!」 
                         
                        「あやしいな〜 
                        ホントなら僕にも見せてくれよ!」 | 
                       
                    
                   
                   
                   
                   
                  「おはよう!」 
                   
                  「おはよう〜今日は待ちに待ったクリスマスパーティーじゃのう。」 
                   
                  「私早く目がさめちゃった。モーリーおはよう!」 
                   
                  「おはようございます。今日のお料理楽しみにしててください。ケーキも大きなものを用意してますよ。」 
                   キッチンを覗くと、いろんな食材が並んでいた。 
                   
                  「すごいわ〜料理は、モーリーに任せれば間違いないわね! 
                  それより何を着ようかな♪」 
                   
                  「かおり様お部屋の準備これでいいですか?」 
                   
                  「トン素敵よ、皆を喜ぶわきっと。チャンとゴンもありがとう。」 
                   
                  「そろそろお友達がおみえになるころですね!」 
                   
                   
                  「わ〜ここがお城か〜いつも遠くからしか見てないからな。すげーや!」 
                   
                  「オモテ、僕の格好おかしくないかな?」 
                   
                  「いいんじゃないか。」 
                   
                  オモテはウランの格好よりお城に夢中になっている。 
                   
                  「皆〜今来たの? 
                  ホンマ君とキョウマ君だ。皆一緒に中へ入ろう。」 
                   
                   
                  「メリークリスマス!ようこそタタミ城へ。」 
                   
                  中にに案内された。 
                   
                  「すごい!大きなツリーと美味しそうな料理。見たこともない大きなケーキだ!」 
                   
                  「それではクリスマスパーティーのスタートじゃ〜」 
                   
                  「かおりちゃん、サンタクロース見たことある?」 
                   
                  「残念だけど見たことないわ、サンタクロースって会えるの?」 
                   
                  「ウラン見たって言い張るんだよ!」 
                   
                  「本当だよ、僕見たんだ。」 
                   
                  皆あつまってきた。 
                   
                  「トナカイの引っ張るソリに赤い服を着て長い髭を生やしたおじいさんが、空を飛んでいるんだ。空をだよ!僕も目を疑ったよ、でも目の前を飛んで行ったんだ。」 
                   
                  「ウラン君本当なのか?俺たちも会ってみたいよな〜」 
                   ホンマ君とキョウマ君が疑わしく言った。 
                  それを聞いていたターミーが口を開いた。 
                   
                  「ウラン君はウソは言っていないよ。ワシも子供の頃見たことがある!とても驚いたのを覚えているよ。」 
                   
                  「え〜ターミーは何回も見たの?」 
                   
                  かおりが興味深げに言った。 
                   
                  「一度だけじゃったな〜妹のフレグランスと見たんじゃ。」 
                   
                  「ママも?」 
                   
                  「子供の頃は純水にサンタクロースを信じている。その心がサンタクロースを呼んだのかもしれん。だから皆も信じてサンタを待っていると目の前に現れるやもしれん。 
                  サンタクロースを見ただけでハッピーな気持ちになる。そして、皆にも優しくできる。暖かく幸せな心がサンタからのプレゼントかもしれんな〜」 
                   
                  「なんだかその話を聞いただけでわくわくしてきたぞ〜」 
                   
                  ホンマ君がうれしそうに窓の外を見た。 
                   
                  「あれ〜さっきから飛んでるんだけど何だ?、鳥じゃないぞ。」 
                   
                  オモテ君が窓の外を指差した。 
                   
                   
                  「あれ、もしかしてあれは…サンタクロースじゃないか!? 
                   一斉に窓の外を見た。 
                   
                  「あっ、あれだよ、僕が見たの。」 
                   
                  ウラン君が大声で叫んだ。 
                   
                  
                  
                    
                      
                         
                        「わ〜本当だ〜すごい!」 
                         
                        「初めてだわ。」 
                         
                        ターミーが空を見上げて 
                         
                        「ワシもまた見ることができんなんて、驚きじゃ〜」 
                         
                        チャンとゴンとトンも座り込んで見入っている。 
                         
                         
                        「空から白いものが降ってきたよ。なーにこれ?」 
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                  オモテ君がターミーに聞いた。 
                   
                  「これは…驚いた、雪じゃ。雪が降るなんて過去にも聞いたことがない!」 
                   
                  皆、急いで外に出た。大興奮だ。 
                   
                  「皆、この幸せな出来事に感謝するじゃよ。」 
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